アトミ

カニバル・カンフー/燃えよ!食人拳のアトミのレビュー・感想・評価

3.5
70点

とある島。
そこに住む村人達は慢性的食糧不足。その為訪問者を襲ってはカニバリズムを繰り返す。

狩り、解体、肉の配分まで行う保安隊(村の警察)は優遇。
村人らは人肉以外では満足できず、なくなく保安隊隊長に服従する。
食べたら忘れずにその夜、「御霊送り」を行うという感謝の気持ちを忘れない。

人間が「安らかに眠れ」と言えば、霊は「そうする」といった考えもあるようだ。

やるじゃん。
牛や豚等、魚、害虫にいたるまで屠殺や殺生する者達も「動物慰霊」という宗教儀式をしっかり行うし、それらを食べる消費者は「いただきます」と宗教儀式を行う。
「安らかに眠れ」「感謝」といったものがまるで「魔法の言葉」のように全てが「チャラ」になる。
この作品の場合その対象が「人間」ではあるが、人間が生きる上での必要な「犠牲」についての儀式であるなら全て「同じ意味」を持つ。
宗教には便利な機能があるなぁ。等とあらためて感心させられる。


まぁそれは置いといて
しかし、正義感の強い副隊長はこの事実を早く島の外の警察へ通報したかった。

そこに中央情報局 華南秘密情報科 特別捜査官 "999"なるクンフーの使い手が大泥棒ローレックスを追って島にやって来る。
船にたまたま同乗した「胡散臭い男」と一緒に。

2人の運命はいかに!
そして副隊長は?
大泥棒ローレックスの行方は?

といったお話。


保安隊が人間狩りをする時のスタイルがほぼレザーフェイス。
「悪魔のいけにえ」感と「ウィッカーマン」感にコメディ多め、カンフー少々といった作品。
グダグダ感はコメディだから問題ないが、以外とちゃんとしてて逆に関心。

クライマックスバトルでのサントラ「将軍令」。
よく観ると群衆の中に酔拳の師匠(ユエン・シャオティエン)風のオッサンがいるし。
ラストの伏線回収ブラックユーモアも良かったね。
アトミ

アトミ