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プロゴルファー織部金次郎2 パーでいいんだのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.3
前回、冴えないおっさんゴルファーの返り咲きのシンデレラストーリーから一転。そんな織部金次郎ですらひっくり返せないもの。“年齢による老いの壁”。
体のガタには勝てない。迫りくる体の限界、周りの仲間達の進退、それらからくる自分へのプレッシャー。そんな時にやっと出れた本戦でまさかの故障。
良いこと無しで相変わらずうだつの上がらないおっさんプロゴルファー織部金次郎がまたしてもそんな逆境と向き合い、どう心が折れて、どうそこから這い上がるか、もしくは這い上がらないか。。。
そんなどこまでいっても庶民派の庶民に支えられた庶民の光のおっさん、オリキンの「栄光」「また挫折」「逃避」「再起」が全部詰め込まれた作品。
しかも、そんなオリキンにさらにうだつの上がらないおっさん弟子も出来たりして、自分のことすらままならないのにお人好し炸裂で結果的にさらに自分の首を絞める。
自分の首を絞め、自分と重ね合わせて余計に辛い思いをしながらも、この迫りくる限界と戦って、ここから先に何を見出すか。。。と。

オリキン、そうだ、パーでいいんだ。

今回は監督も脚本も鉄ちゃん。前回よりも鉄ちゃん節と下町人情と当時流行ったジュリアナやフレーズが盛り込まれ、コントっぽいシーンも色濃く出てるし、さりげなく堀内孝雄出てくるし、流行というか“ウケ狙い”感もあってギリギリ目ざといレベルでわかりやすく描かれている。

個人的にはこのシリーズの財前直見がめちゃ好きなのだが、本作はいつものメンバーに加えて、前作よりもキャストもエキストラもお金かけてる感じにしては、話としては桜子がオリキンに寄り添う、というか、半ば強引に付き合わされる流れが強くて財前直見がたくさん出てくるし、オリキンとの距離感とか何かもうキュンキュンしたわ。

この桜子の、面倒見が良いような、世間知らずのような、包容力があるような、無邪気な子供のような、この容姿でなんとも言えない大人の雰囲気と子供っぽさを兼ね揃えてるキャラ、反則だろ。
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