色々な意味で酷いゾンビ映画だけど、最低クラスではない酷さ。
序盤の研究所(?)襲撃シーンでは銃声のSEだけ鳴らして血糊も何も使っていなかったり、けが人を運ぶ際に近くに病院がないからと言って廃墟みたいなホテルに向かうのも意味不明(しかも、車で行ける圏内にサンタモニカ病院があったことが後に分かる)だし、明らかに感染していない人物が急にゾンビになっていたりと話の整合性はない。
少なくとも『ルチオ・フルチのホラーハウス』や『ルチオ・フルチの新デモンズ』よりはよっぽどマシで、何より起承転結があるというだけでまともに見える。街ロケも多くてテンポも良いし、どんなに中身が無くても絵面がどんどん切り替われば退屈だけはしないということだろう。
ゾンビがやたらとアグレッシブで主人公っぽい人がどんどん殺されていくのも最初は新鮮だけど、エンドクレジットが始まると毒にも薬にもならない映画を観てしまったという罪悪感に襲われるので、腐った食べ物の中ではまだ食べれる方というだけの作品だったことを後から痛感した……。