ゆういちろう

スクール・デイズのゆういちろうのレビュー・感想・評価

スクール・デイズ(1988年製作の映画)
4.0
個人的にはかなり面白かった作品でした!

当時のアフリカンアメリカンの大学生の様子をユーモアたっぷりに描いて、とても観やすい印象。ミュージカル的なノリもあって、それによって映画自体に華々しさも添えられています。

テーマとしては、黒人解放主義の学生ダプトと、アメリカ人として市民権を持っているというジュリアンの価値観の対立がありました。ジュリアンの方は白人傾倒的な価値観と言えるかも。

享楽的に大学生活を謳歌している周囲の友人たちに、危機感を覚えるダプ。しかし、ダプの黒人解放の思想も大学からは危険視されています。ダプも熱くなりやすいから余計ですね

この映画の特徴はほとんど白人が出てこない所ですね。つまりは黒人コミュニティの中での話しか描かれていない訳です。それだけ、この時代には黒人のコミュニティの安全性も向上していたから出来たことなのかなぁと思います。享楽的に生きることができるコミュニティは存在していたんです。でも、そのコミュニティ自体のアメリカ全体の反応はほとんどの人が見ていない。ダプも最終的には享楽的な大学生になりかけると思いきや、、、

この作品はスパイク・リーの自伝的要素もあるんだそうで、彼の大学生活の経験をある程度元にしているようです。スパイク・リーも当時大学に楯突いた経験があるからこその最後の「目を覚ましてくれ」なのかなーと思いました。
過去から変わっていることと、変わっていないことをハッキリと見つめなければ行けないというメッセージを感じす