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最後通告のBBのレビュー・感想・評価

最後通告(1998年製作の映画)
5.0
複数の誘拐事件が発生して子どもたちが姿を消し、その子たちから両親や警察に宛てて手紙が届く…この展開、2000年に財前直美、内藤剛志、竜雷太らが出演していた「QUIZ」ってTVドラマにそっくりだな。主犯格の子どもが子役時代の神木隆之介くんで、超越した存在として描かれる謎の少女役が内山理名で。驚いてしまった。

しかし、ムーラーはこんなお話も撮れるんだね。地域ごとに4つの言語の文化圏入り混じるスイス、湖の周辺を舞台にして…スイスならではの映画にもなってるわけだ。後半の茶番劇はブニュエル(「皆殺しの天使」あたりの不条理劇)やシャブロル(「刑事ベラミー」みたいなロマンスコメディのタッチ)を彷彿させたりもするが、展開・台詞・演出・省略はどれもこれもうまくて軽やか。実に微妙な線のトーンで演出されてるが、展開に笑ってしまう。
トニーの妹がのっけから母親に相手にされず、ハイヒールをいくつも湖に放り投げて愛犬に取りにいかせるあたりからもうずっと可笑しかった。それでいてかなり風刺の効いた話。
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