イチロヲ

激闘の大砂漠のイチロヲのレビュー・感想・評価

激闘の大砂漠(1952年製作の映画)
4.0
伝説の早馬を捜し求めている遊牧民の族長が、政略結婚を強いられている王女を救うべく、海賊王を相手取ったホースレースに挑戦する。アラブ地域のコミュニティを背景にしている、アクション・アドベンチャー映画。

全体的に、書き割りとホリゾントを利用したスタジオ撮影のシーンは控えめという印象。荒涼かつ雄大な砂漠地帯でのロケ撮影が大半を占めており、疾走する馬群を追いかけていく、ダイナミックな映像を満喫することができる。

ロープワークを利用した野生馬の捕獲から、主従関係を叩き込ませる調教の模様まで、その一連の作業を克明に収めている。明らかに演者が別人に代わっているカットがあるけれども、役者陣の本格的な馬術に魅力が集約されている。

何よりも、主人公とヒロインが、しばらく仲違いした状態でドラマが進行するところが良い。敵対する海賊のコミュニティもまた憎めない悪役キャラになっており、とりわけスーザン・キャボット演じる妖艶な踊り子に目を奪われる。
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