コーカサス

恐怖の精神病院のコーカサスのレビュー・感想・評価

恐怖の精神病院(1946年製作の映画)
3.9
身体に塗り込まれた金箔が皮膚呼吸を妨げ、患者は苦しみ、やがて死に至る―。

入院患者を次々といたぶり、見世物にして謀殺を楽しむ残虐な院長と、その狂気の沙汰を見兼ね、彼を非難したため正気のまま監禁されてしまう女性。

RKOが製作したサディスティック・ホラーの原点は、同時に宗教と哲学、人間の自由と尊厳、さらには男と女の純愛までをも見事に描いた傑作だ。

濃く深い光と影のコントラスト、タイトルや物語の要所要所で映し出されては同化するウィリアム・ ホガースの銅板画など全てが美しく、観る者全ての精神を支配する。

251 2020