かずシネマ

アリス・スウィート・アリスのかずシネマのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

子役時代のブルック・シールズはあれやな。大変な役が多いな。

黄色いコートに仮面とナイフ。
前に偶然トレーラーを観て気になっていた作品で、GYAOに来ていたので鑑賞。
最初に思ったのは、これはブラウン管の画質で観た方が雰囲気が出るタイプの作品だということ。
荒い画質の方がよりあの仮面を怖く感じられると思う。

メインの登場人物大体おかしい。
「母が信じる娘を信じろ」的な、そんなシーンもあったけど、信じる信じないの前に母親をしようとしろ、と思う。
母ちゃん、ずっと子供みたいだった。
あれは反抗されて見下されて試されても当然ちゃうか?と思う態度。
その子の目の前で姉妹の一方のみに何かを与えるなんて言語道断と思うわ。
庇おうと必死になる様子からアリスに対する愛情は確かにあったと読み取れたけど、他の態度や言動にしろ、アリスでなくても子供との関係は拗れてたと思う。
「人は信じたいものだけを信じるのよ」がそのままブーメランだったのはお見事。

アリスはヒステリーを起こした時の言動が精神疾患だけでは説明がつかない何かが入ってると思う。
とりあえず、母親からの愛情(表現)を渇望しているのはよく分かった。
そしてそれが極端になり、邪魔者を排除して愛情を独占したいのだと。
で、他の事はどうでもええし、あの大家は大家でかなりのアカンタレやったけど、大家が飼ってる猫の件は許されへんわ。
何してくれとん??猫は関係ないやろ。
あれのせいで庇う気がゼロになった。
逆に言えば、あれさえ無ければある程度はアリスの肩を持つ事もできる。

ラストの紙袋を抱えたアリスの表情を思うに、あれ全部アリスがあの犯人のおばちゃんにやらせた事なのでは、ともとれるなあと思った。
黒魔術的な事をしてたやん、彼女。
ああいうので呪詛でもかけて操ったんちゃうんかな。
刺された伯母さんは「アリスで間違いない」と言ってて。
普通に考えたら子供なアリスと犯人のおばちゃんと体型が違い過ぎるし、何より普段から関わりがあった血縁者の証言だから、伯母さんを刺したんはホンマにアリスだったんちゃうんかなぁ。
それにあの伯母さん(母の姉)、おばちゃん個人から恨まれるには神父さんとは関係が遠いし。
でもアリスは伯母さんの事が嫌いなんやろ?
他の事にしても、贔屓される妹、自分を捨てて出て行った父親、母親をとろうとしている神父…ってアリスの動機はある訳やし。

神父さんの「私ならあの人に対応できる、危害が加えられる訳がない」ってのはちょっと自信過剰というか、自分やおばちゃんを信用し過ぎというか、傲慢さすら感じるな…と思ったら盛大な前振りやった。
お父さんは、、ちょっと天然なんかな。
襲われてんのに襲って来た相手にあんな声のかけ方する?

もうちょいテンポが良かったらもっと観やすいと思う。
登場人物の大体の言動がアレで、度々イラっとするのでw

面白いカメラワークもあった。
写真がくだって行く場面とか、お父さんがやられて落下する場面が地面に落ちていたガラス(鏡?)に映ってお父さん(役者)自体はカメラの手前から倒れる場面とか。
最後の方の神父の方を見ているテイの犯人のおばちゃんのアップの場面とか。
階段が度々登場するのはヒッチコックが好きなのか?と思った。

演技は皆さん良かったと思うが、特に、刺された時と刺された後の伯母さんの演技が痛ましくてとても良かった。
お腹の上にコックローチな大家さんは大変だったろう……。てか、コックローチをアップにしないでほしかったわ。
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