映画「REC」のハリウッドリメイク作品。
原作と類似点が多く、ほぼそのままと言ってもいいくらい、そっくりです。これなら別に作らなくてもいいのでは？と思いましたが、相違点も所々にありました。
まず原作との大きな違いは上映時間です。原作は77分でこちらは89分もあります。この時間差は非常に大きく、原作で分かりにくかったところに説明を付け加えたり、登場人物を増やしたり、原作にはないシーンなんかも追加された事で、時間が増えています。特に最初の出動までのシーンが非常に長く、こんなに細かく紹介しなくてもと思いました。
しかし、それらの追加要素がよく働いているかと言うとそうでもなく、むしろ話のテンポが悪くなっています。
ストーリーを追う分にはありがたいのですが、「REC」のリメイクには別に緻密なストーリー性は誰も求めていません。原作の良さは、外界から隔離された状況で、ビルの中の刻一刻と変わっていく様子を、主観カメラでリアルタイムに映していくところに良さがあったのですが、本作は色々説明しすぎて、見ている側に冷静に考える時間を与えてしまっています。こういう作品は、視聴者も巻き込んでいくように見せるのがいいのですが、カメラも殆どぶれず、どこか落ち着いているので、「これは映画です」と最初から言われているような感覚になりました。
改めて原作の「REC」の凄さを、際立たせる作品になってしまっているので、リメイクとは？となりました。強いて良いところを挙げるならば、セットやマンション内、衣裳など、オリジナルへのリスペクト(？)がよくなされていた所でした。
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