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反撃/真夜中の処刑ゲームのBobsanのレビュー・感想・評価

反撃/真夜中の処刑ゲーム(1983年製作の映画)
5.0
未体験ゾーン2024で公開されたそうですね。いいなぁ、地方公開もして欲しいです。
この手の作品を観ていつも思いを馳せるのが、悪役を演じる俳優さん達の労力、心労は如何ばかりかという事です。近年の作品で言えばキャスリン・ビグロー監督の「デトロイト」で憎たらしい警官のクラウスを演じたウィル・ポーターさんになりますが、本作で言えばグースを演じたジェフ・パスティルさんですね。演じている本人は決して役のような人間ではないのに俳優である以上その人間にならなければならない。本作に於いてグースは主人公かと思える程出ずっぱりの無双状態で、序盤で恋人に狼藉を働くところから本当に憎たらしい人間を完璧に演じています。
しかし勿論演じるジェフ・パスティルさんはそんな人間であろう筈もなく、飽くまでも役柄として演じているに過ぎません。しかしここまで碌でもないレイシストのクソ野郎を完璧に演じられると、観ている我々は彼を本当に憎んでしまい、彼が死んだ時はやった!と喜んでしまうのです。
俳優冥利に尽きると言えばそうなのかもしれませんが、カットがかかった後は身も心もへとへとのぼろぼろになるんだろうなぁ、などと老婆心ながら思ってしまうのです。
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