このレビューはネタバレを含みます
まさか、まさか、そうはならないよね…と、心ザワザワしながら観たラスト。衝撃過ぎて涙も出ない。胸が締め付けられる。
戦争とはそういうこと。
そんなやるせなさしか、全編通して感じられなかった。
ホロコースト作品や戦争の作品は、いくつか観ている。実話であってもなくても、史実をもとに描かれている作品には、戦争の愚かさや醜さに恐ろしくなり、平和を希求する気持ちでいっぱいになる。
時々、戦争を美化した作品に出会うとガッカリするが、本作は真逆。これでもか、と、戦争の無惨さ非道さを伝えてくる。
ブルーノの吸い込まれそうな青い目と、純粋無垢な心が切なすぎた。優しく無垢だからこそ起きた悲劇。
因果応報なのか。誰を責めたらいいのか。ブルーノと同じように、尊いユダヤ人の命も数えきれないくらいなくなっていった悲劇。
せめてもの救いは、ブルーノとシュムールの繋いだ手。
「ジョニーは戦争へ行った」以来の衝撃で、心抉られる反戦映画だった。