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縞模様のパジャマの少年のxavierのレビュー・感想・評価

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
4.5
ブルーノは知りたいだけだった、大事な友達が何故フェンスの向こうに居るのかを…
第2次世界大戦下、8歳の少年ブルーノはナチスの将校の父ラルフの栄転でベルリン郊外に引っ越す事になる。裏庭の森の奥、鉄条網で覆われた場所を訪れたブルーノが出会ったのは縞模様のパジャマを着たシュムールだった。二人は友情を育むが、ある日ブルーノはシュムールを裏切ってしまい…
ストーリーはこんな感じ。
最初、観た時は衝撃が大きすぎて、かなり
ショックだったなぁ…
多分、今回で3回目になるんだけどシュムールが出て来た所から涙が溢れる。

今回、観る前に何故ナチスはユダヤ人を迫害したんだろう?って思って調べてみた。
ユダヤ人への憎悪ってものはナチスに始まった事じゃないらしい。キリスト教がヨーロッパに広がる中、イエス・キリストを救世主と認めないユダヤ人を"キリスト教を冒涜する存在"として人々から恨まれていた。そんな事を下地としてヒトラーはドイツ国民を1つにするため、ユダヤ人を明確な敵に仕立て上げたらしい。
この映画でも描かれているけどブルーノの家庭教師がユダヤ人の事を話すくだりは、まさにそうだったなぁ…
ドイツが第1次世界大戦に負けたのは、ユダヤ人のせいだとか悪影響を与える愚かな存在だとか半ば強制的に教え込もうとする
まぁ、この人も学生の頃、先生たちからそう教え込まれたんだろうなぁ…

それにしても子どもたちは純粋だよね。
ブルーノは初めて会ったシュムールとたちまち友達になる。そしてシュムールがユダヤ人だと知ってもその事は揺るがない。
子どもたちの世界には人種差別や国境などは存在しないと思う。言葉が通じなくてもボディ・ランゲージで大体の事は解るだろうし、一緒に遊べば肌の色なんて気にならないだろうしね。
それなのに、大人たちは敵対させるような事を教えたり吹き込んだりする。
そして憎しみが生まれ、戦争が始まる…
大人たちは子どもたちに「悪いことをしたら、ごめんなさいでしょ」と教えるけど、それすら出来ない。それさえ出来れば、大半の争いは収めることが出来るだろうに…

色々な事を考えさせられる作品だよね。
今、戦争を仕掛けているプーチン大統領がもしこの作品のブルーノの父親の立場になったら、戦争は終わるかもなぁ…
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