菩薩

挑戦の菩薩のレビュー・感想・評価

挑戦(1969年製作の映画)
4.2
第1章(クラウディオ・ゲリン監督)

うっす〜い『テオレマ』みたいなお話。とある家庭にアメリカ人が侵入して来る、彼は娘のボーイフレンド、父・娘の愛情を多少逸脱したパパちんは大いに嫉妬、挙句嫁にまで手を出され遂には対決する羽目に、一度は確実に敗北するものの…かなりサスペンスフルな展開に。オカンが一番頭おかしいとは思うけど、娘が寝てる間に大事なフィルム覗き見するパパも相当イタい。女って絶対風呂入ってる間に携帯見るよな、なんでもないです。

第2章(ホセ・ルイス・エヘア監督)

スワッピング推奨ムービーかと思ったらそんな事も無かった。これまたアメリカ人カップルが牧場に侵入、牛相手に闘牛ごっこしてたらおっさんに見つかって叱られる羽目になるも、おっさんの色目を見抜いた彼氏が小狡い真似に出る。アメリカ人は全員常にスリルを求めてるとでも決めつけてるような姿勢、ラストだけ若干カルト。闘牛に始まる作品は、闘牛式殺人で幕を閉じる。

第3章(ビクトル・エリセ監督)

無人の村に男女2:2、そして一匹のチンパンジー(ピンキー)が降り立つ、彼らはそこを「火星」と名付け、ピンキーを大統領に据え、自由恋愛の法則に則った共和国を設立する。ただ男の一人は戦争が元で男性機能が不能、嫉妬心からか自暴自棄からか、彼はダイナマイトに火をつけ、全てを木っ端微塵に吹き飛ばす。「猿の惑星」「リア充爆発しろ」の原点がここにある?


と、どう考えてもエリセの章だけ異様で異質だけど、エリセの章だけストーリーにしても映像にしても格別に面白い。カメラの動き方が異常だし、ラストの心境を挿入歌をもって語らせるあたりも上手い。評価はエリセの章のみの採点。
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