黒人アメリカン・フットボールプレイヤーのアーニー・デイビスの軌跡を描く、実話に基づくスポーツ・ドラマ。
スポーツもので実話ものという同じ題材を取り上げ、邦題まで似ている『インビクタス 負けざる者たち』の方が知名度は上だが、こちらもなかなかの良作。
世間では既に黒人初のメジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンが大活躍を成し遂げたというのに、いつまでたっても酷い黒人差別がはびこり、それこそ命の危険にまでさらされることもある中、決して屈せず、アメフトに全身全霊をささげるアーニー。ついには、最も活躍した選手に与えられる、大学アメフト界最大の栄誉であるハイズマン賞の受賞候補にまでなる。受賞すれば黒人初となるが果たして……。
厳しくも情に厚い指導者を、デニス・クエイドが好演。ハマリ役だった。
ラスト近くで、アーニー・デイビスに憧れているというフロイド・リトルという黒人アメフトプレイヤーが登場するんだけど、演じているのがなんと本作が映画初出演のチャドウィック・ボーズマン! 言わずもがな、のちにジャッキー・ロビンソンを演じる彼である。様々な思いがこみ上げて、ちょっと涙ぐんでしまった。
