'23 3/20ジャケ写掲載していただきました。
Blu-ray発売記念‼︎
リスペクトしている'70年代作品。
ロジャー・L・サイモンの[大いなる賭け]を、セルフ脚色。
ジェレミー・ポール・ケーガン監督による、オフビートなコミカル色のある【社会派・ハードボイルド・サスペンス】。
1960年代、
名門カリフォルニア大学バークレー校で、学生運動家だったモーゼス・ワイン(リチャード・ドレイファス)。
妻スザンヌ(ボニー・べデリア)と離婚後、子供2人の親権も取られ、今は私立探偵の身で細々と稼ぐ。
学生時代、ガールフレンドだったライラ・シェイ(スーザン・アンスパッチ)から10年ぶりに連絡がきた。
依頼主は、サム・セバスチャン(ジョン・リスゴー)。
彼女の勤務先である選挙事務所で、擁立候補に関わる悪質なデマ広告に関する調査を引き受けるのだが…。
コメディとシリアス
というよりもユーモラスとシリアスの絶妙な融合という表現がしっくりくる。
プロット自体は、
選挙関係のデマ広告の要注意人物を探し出す、って地味でシンプルながら、複雑な人物が絡み、殺人事件も起こるという中身は本格派。
その過程で、モーゼスの豪快なおばさんや元妻との息子2人を預かって、子連れ探偵稼業 をするのがユニークで のほほん としたムードが漂う。
テンポが良いハードボイルド物と言えども'70年代特有の安心お約束 ユルさ が顕著。
硬派と軟派のど真ん中具合いが絶妙。
'70年代の作風(ムード)がハマらないと ユルさ が退屈に感じるのかもしれない。
ポーカー場で、
おばさんを利用して要人を見つけ出すパートがユニーク。
無防備でくる◯◯ショットもビックリな演出。
ある悲しみから、
傷心タイム中に急遽状況が違和感なくシークエンスチェンジは、お気に入り。
分解してあった銃
が必要になって組み立てる短いシークエンスも何気に良い。
大事な電話中にナンパ⁈
いやいや、彼は 女垂らし では無い。
殺し屋をハメて取っちめるシークエンスが痛快。
手の怪我の事を聞かれて 毎回違う答 をさり気なく返すのも面白い(真実は終盤に)。
何より、
リチャード・ドレイファスがオフビートな探偵キャラに 度ハマり しているのが本作一番の貢献。
ジョン・リスゴーは、
まだキャラクター・アクターになる前かな。
カメラは的確で安定したワーク。
ビル・コンティのスコアも聴きどころ。
クライマックスは、
ハイウェイでの爆破予告を阻止出来るか⁈
この爆弾が かなり異常 で前代未聞。
事の真相(黒幕)
が明かされてもサラッと溶け込み、見逃してしまうほど。
のどかな冒頭と、
ラストは、ほのぼの締める。