かめの

グッドナイト・ムーンのかめののレビュー・感想・評価

グッドナイト・ムーン(1998年製作の映画)
3.7

時折、母親の影響で父親をひどく嫌悪する子供がいる。未熟であるゆえに、しかしそのために愛する者の望むことを全うしようとする。この映画でも、実母がイザベルを嫌い、軽蔑しているから、アンナも極端にイザベルを嫌っていた。もちろん反発の気持ちもあっただろうけど、アンナはイザベルの悪口で満足そうに笑う母親の気持ちを見透かしていたはず。だからこそ、実母がイザベルに歩み寄るよう伝えた途端、アンナはイザベルの良い所を見つけられる。

ベンはまだ幼いけれど、実母に対し、イザベルを嫌った方がいい?と尋ねる。愛する母親のためならば、子供は自分の気持ちすら捻じ曲げようとする。

ジャッキーはまだ夫が許せなくて、愛と憎しみがごちゃごちゃ。だからイザベルを嫌うし、愛する子供を取られたくない。正しくはないけど、その気持ちは痛いほど伝わってくる。だからこそ、そうした過程をチャラにするみたいに、ジャッキーがガンになるのは納得がいかない。もっと普遍的テーマとして扱ってほしかった。

映画のクライマックスには地味だけど、イザベルとジャッキー、アンナとベン、4人皆で笑いあえたことが答えだよね。あ、父親もいた。
かめの

かめの