『エクスペンダブルズ3』
『ヒットマンズ・ボディーガード』
そして公開中の『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディーガード』の
パトリック・ヒューズ初監督作品。
初監督作なだけあり超低予算映画です。
製作費はパトリック・ヒューズ監督自身が調達したくらいです。
しかし個人的にはこの『レッド・ヒル』
現時点でパトリック・ヒューズ監督の最高傑作です。
コメディ色の強い『エクスペンダブルズ3』や『ヒットマンズ・ボディーガード』とは違い、この『レッド・ヒル』はかなりダークな作風で、ハリウッドに出てからのヒューズ監督作に比べると少し異質。これが本来のパトリック・ヒューズの作家性だと思うので、そろそろ明るいパトリック・ヒューズ映画ではなく、ダークなパトリック・ヒューズ映画が観たいです。
また本作の面白いところは、舞台がオーストラリアの田舎町ということもあり、西部劇テイストが強い作品ですが『13日の金曜日』や『ハロウィン』といった、スラッシャーホラー映画のような演出が多く、特に脱獄したジミーが自警団らを"狩る"場面はかなり不気味。
また『狼男』や『ドラキュラ』といったかつてのモンスター映画/怪奇映画を彷彿させる満月を映したカットも印象的。
キャストはハリウッド映画に比べるとマイナーな役者が多いですが、保安官役が『マッドマックス』第1作目の白バイ警官"グース"役でお馴染みのスティーヴ・ビズレーが演じていたりと、知る人ぞ知る名優が出演しているもの見所。
銃撃戦などのアクションシーンも、これが初監督とは思えないほどスタイリッシュでカッコいい。改めてパトリック・ヒューズを発掘し、『エクスペンダブルズ3』の監督に抜擢させたスタローンは偉大です。
日本ではTSUTAYA独占でセル版DVD・配信なしという作品ですが、そろそろBlu-ray化してほしい。このまま埋もれてしまうのは勿体無い映画です。