山浦国見

ブリジット・バルドー/恋するレオタードの山浦国見のレビュー・感想・評価

3.5
「例え一方通行でも、誰かを愛せるのは幸せ」

ブリジット・バルドー(以下b.b.)の眼力に惹かれて500円で購入し、鑑賞しました。500円DVDにしては綺麗なレストアがされており、気持ち良く鑑賞できました。当然特典映像は一切ありませんが。
(;´д`)

因みにレオタードと銘打ってますが、レオタードは殆ど(寧ろ全くと言っていい程)出てきません。何しろバレエの話では無くオペラ歌手の話ですから。この邦題を付けた人は、b.b.に恋とレオタードを付ければ、男たちはホイホイ見に来るだろう、って適当に付けたのは明白ですね。

三人の主役の内、b.b.は良く腰の括れが話題に上りますが、私は寧ろ、同時代の他の女優…例えばオードリー・ヘップバーン、ビビアン・リー、デボラ・カーとは違う種類の眼力を感じます。

イザベル・ピア(以下イザベル)は、b.b.がエキゾチックで官能的な美しさなら、彼女は清楚かつ洗練された美しさが特徴的。残念ながら、本作と、わが青春のマリアンヌの二本しか映画出演していません。どちらも55年の作品ですから、1・2年しか活動されてないんですね。もっとイザベル見たかったなぁ……
(´・ω・`)

ジャン・マレーは、1913年12月生まれですから、当時42歳。で、40歳の役を演じているのですが、私は最初、50歳くらいかな、と思ったくらい、老け……いやいや貫禄あるなぁ、と思ってしまいました。彼はb.b.とイザベル、二人の女性から想われる、羨ま……もとい悩ましい役柄を演じてます。ただ、彼は典型的な浮気男ですので、あまり気にしてない様子。二人の事も、奥さんが戻ってくるまでの繋ぎの遊び程度にしか思ってなかったでしょうしね。何気に岸惠子と共演歴もあります。

序盤にキンゼイ・レポートがギャグネタでぶっ込まれて来たのには笑いましたね。1948年と1954年に発表されていますから、公開当時はタイムリーな話題だったに違いありません。それをサクッと取り入れるなんて、ハイセンスですね。

総括すると、超銘作ってわけではありませんが、中々の佳作だと思います。格的には、大相撲なら平幕の5枚目~9枚目くらいの位置取りですかね。思った以上に楽しめます。
山浦国見

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