浅野公喜

デッドライン〜「恐怖の極限」とは何か?あるホラー作家の衝撃の体験!の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
ホラー映画専門の作家がだんだんと狂気に蝕まれていくという、作家を主人公にした作品も多いスティーブン・キングも観てそうなカナダ産サスペンスホラー。

作ったストーリーが次々と劇中に挟まれており司祭の肉を貪る尼僧達、出産時死ぬ妊婦、子供の頃観てインパクト有った「金田一少年の事件簿 オペラ座館・新たなる殺人」を思い出す血のシャワー、老婆をベッドに縛り付け焼き殺す子供達等そこそこ強烈なものが多く、中でも除雪車(?)にミンチにされる作業員が出色の出来。

エンディングはありがちながらいくら作家本人がちゃんとした理由で作品を作っても学生達からはただの露悪趣味だと批判されたり、中盤に起こる家庭内の悲劇は一見ホラーに原因が有りそうで実は子供達を顧みない親達が原因と思わせる描写も有ったりと、作り手と観る側に生じるギャップを描いたり社会問題の本質に切り込んでいるのも見所と言えるかもしれません。

何人かの方も書いてますが、主人公の娘の一人はクローネンバーク監督「ザ・ブルード/怒りのメタファー」にも出演していた子役のシンディ・ハインズ。主題歌はAOR(洋楽版シティポップ)好きなら知ってるかもしれないドウェイン・フォードなのが驚きでした。

ちなみにVHS版の最後には同じバップ(東北新社)から発売の「バスケット・ケース」のVHS発売時の予告編が入ってて少し嬉しかったです☺️
浅野公喜

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