KnightsofOdessa

放送のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

放送(1968年製作の映画)
4.0
昨年末に掲げた今年の目標の一つが"テオ・アンゲロプロスの作品をそろそろ観る"だったのだが、全体的に長いというイメージなので嫌煙していた。同時に挙げたオリヴェイラとモンテイロの方が確実に長そうだが、結局モンテイロしか観始められてないので、そろそろ始めなければ云々と思いつつ、GWになってしまった。ということで、せっかくなら一番最初から観てやろうといういつものマラソン(ライヒャルト、サフディ兄弟、アーノルド)を彼にも適用してみることにした。これが一番短いし!

既にアルヴァニティスが撮影として参加しているのだが、アンゲロプロスとは思えないほどスパスパとカットを割っていく。序盤のラジオでのインタビューはジャック・ロジエ『Dans le vent』っぽいし、関連で浜辺のシーンで彼の諸作品を思い出す。これ見よがしに放り込まれたコンパクトの反射ショットなんか、鏡に激弱な私の心をしっかり撃ち抜いてくれる。

しかし妙にコミカルな感じや、後の作風と決定的に異なっている点から、ロベール・ブレッソン『公共問題』も少し顔を覗かせる。違いは本作品のほうが面白いとこ。
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