みかん

ル・アーヴルの靴みがきのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

カウリスマキが提示する「優しさ」のレベルは、やっぱりとてつもなく高い。けれどもそれらは必ず現実と地続きのものとして描かれている。『希望のかなた』然り本作然り、カウリスマキの作品に惹かれる理由はここにあると思う。

例えば末尾に"!"が付くような激しい台詞、言葉は決してない。物凄く静かな作品だけど、背後には「キミの立場がなんだ!職業がなんだ!経済力がなんだ!世論がなんだ!困っているヒトがいるんだろう?さあ、助けようじゃないか!」そういう純真で、燃え盛る炎のようなメッセージが見える。人間が、人間に手を差し伸べる。その情景にここまで心を動かされるということにハッとする。現実世界に対してかなり痛いところを突いてきていると思う。
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