百聞は一見にしかず、のムルナウ監督のサイレント映画。字幕もなくして(ラスト一幕のみ)、ここまで細やかな心理と人間関係、状況を描いて、素晴らしかった。また巨体のエミール・ヤニングスの演技あってで、喜びと悲哀、焦りを大きな体で繊細に演じわけていた。
高級ホテルのドアマンが老齢のため、トイレ掃除の担当にまわされた。金モールのついた立派な制服と誇りを脱ぎ捨てなければならない。しかも姪の結婚式の当日…。
幻覚のシーンではプレイヤーかDVDの不具合かと思ったほど光が揺れたり飛んだり歪んだりの映像で、実験的だし創造的だし、ムルナウ監督のオリジナリティに感激。
スコアつけなかったのは、ラストに驚いたため…。
悲劇で終わったので、脚本を書き変えて追加シーンを入れたそう。
唐突な展開にもうびっくり。
賛否両論の賛はあるんだろうか。
『異人たちの夏』に大林監督が追加したラストシーンに仰天したレベルだった。
それの前まではとてもよかったです。