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メルビンとハワードのtntnのレビュー・感想・評価

メルビンとハワード(1980年製作の映画)
3.9
映画館はおろか日本語字幕ありで見ることすら難しいかなと思っていたので、本当に感激した。下高井戸シネマ、補助席まで出してたのに満席。
ただいざ見てみると予想以上に変わった映画で困惑。この終始デタラメなエピソードが並列される感じは、確かに『リコリス・ピザ』みたいだ。
前半30分かけてメルビンとハワードの一夜をじっくり描いたかと思いきや、そこから目まぐるしい編集の速さで駆け抜ける後半に面食らう。
途中、ちょっと見方がわからないなと思ったけど、世間の価値観や規範にそぐわないけれど、こういう生き方や関係性があってもいいじゃないかという結末に感動してしまった。ジョナサン・デミのテマティスムは「契約としての結婚」じゃないかしら?
車の中でのやり取りを見せる演出がとてもいい。ジェイソン・ロバーツの演技力もあると思うけど、二人の中で言葉では表し難い何かが生まれた感じがする。メルビンと別れたハワードがハミングしながら壁の向こうに消えていく。何を思い出しながら歌っているのか想像するだけでジーンとくる。
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