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メルビンとハワードのHKのレビュー・感想・評価

メルビンとハワード(1980年製作の映画)
3.7
つい“メルビンとダグラス”と言ってしまいそうになりますが、『メルビンとハワード』です。
メルビン・ダグラスは出てませんし、何の関係もありません。
で、ハワードとはあの大富豪ハワード・ヒューズです。
スコセッシの『アビエイター』ではディカプリオが演じてましたね。

昔からタイトルだけは何度も聞く機会がありましたが初見。
というか日本劇場未公開でDVDも国内版は存在しないと今回初めて知りました。
1980年の作品ですが、劇場での公開も今回が初めてだそうです。
そりゃ、初見でもムリありませんね。

貧乏な牛乳配達人メルビンと晩年の大富豪ハワード・ヒューズとの奇妙な出会いとその顛末を描いた実話の映画化だそうです。
監督はジョナサン・デミ(『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』)。
思ったより地味な作品でしたが、出てくるキャラがみなさんイイ味を出してます。

主人公メルビンを演じるのは『アメリカン・グラフィティ』であの黄色のフォード・デュース・クーペを駆っていたポール・ル・マット(当時35歳)。懐かしい。
本作はアメグラの7年後で、やっぱり田舎の芋兄ちゃんがよく似合います。
さらに10年後の『パペットマスター』あたりは誰だかよくわからなくなりますが。

当時70歳近かったハワード老人役を演じたのは当時58歳のジェイソン・ロバーズ。
昔から老け役が多かったようですが、本作では短い登場シーンで強烈な印象を残し、アカデミー助演男優賞にノミネートされるという効率の良いお仕事をしています。

でもこの作品で一番魅力的なのは何と言ってもメアリー・スティーンバージェン(当時27歳)。本作でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演女優賞をW受賞しています。
こんな若いときの作品初めて見たかも、と思ったらもっと前の『ゴーイング・サウス』も『タイム・アフター・タイム』も見てました。相変わらずいい加減な記憶力です。
でも最近では『ナイト・メア・アリー』(当時68歳)でも若いころと変わらぬイメージを保っており驚きました。

序盤で消えたハワードが次に出て来るのを今か今かと待ち続けることとなりますが・・・
やりきれないラストでしたが後味は悪くないという不思議な作品でした。
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