カタパルトスープレックス

モンティ・パイソン/人生狂騒曲のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

4.3
モンティ・パイソンを冠とした最後の映画作品です。前作『ライフ・オブ・ブライアン』がビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』だったとすれば、本作『人生狂騒曲』は『アビイ・ロード』と言えなくもない。作品としてのまとまりはないのだけれど、それでも個性が輝く部分がある。

テーマは「人生の意味」ですが、フォーマットとしてはギャグスケッチに戻っています。原点回帰。しかし、映画としてはすごくクオリティーが上がっている。そう言う意味でも『アビイ・ロード』的だと思うんですよね。モンティ・パイソンの面々は不本意な出来だったらしいですが、ボクはこの作品は『ライフ・オブ・ブライアン』の次に好きです。

本作の素晴らしさは三点に集約されます。
👍音楽映画として素晴らしい
👍下品の極北として素晴らしい
👍テリー・ギリアムの反乱が素晴らしい

👍音楽映画として素晴らしい
今回も『ライフ・オブ・ブライアン』に引き続きエリック・アイドルによる楽曲が素晴らしい!パート1『出産の奇跡2 第3世界編』での「すべての精子は大切」が大好き!そしてパート6『晩年』の「ペニスの歌」😂😂😂そして、パート7『死』での「天国のクリスマス」、エンディングの「ギャラクシー・ソング」。音楽映画が大好きなボクとしては非常に大満足な映画なのです😍。

👍下品の極北として素晴らしい
パート6『晩年』のエピソードはモンティ・パイソンの下品さが最も際立った形で表現された逸品です。汚物&人体破壊。あのクエンティン・タランティーノ監督ですら「心をかき乱された」のですから、大したものです。いやあ、実際にひどい!😂😂😂

"Probably the only time was when I saw Monty Python's Meaning Of Life. When the fat Mr Creosote guy who does all the puking turns up - I remember sitting in the movie theatre thinking, 'If somebody vomits, and I actually smell vomit while I'm watching this, I'm just going to hurl!'"

👍テリー・ギリアムの反乱が素晴らしい
前回から引き続きテリー・ギリアムの「ギリアニメーション」の機会はあまり多くはありません。しかし、本編がはじまる前にテリー・ギリアムによる短編映画『クリムゾン/老人は荒野をめざす』があります。テリー・ギリアムによるテリー・ギリアムのための映画!明らかにこれだけ浮いている!めっちゃ金かかってる!アニメーションの代わりに映画作っちゃった!

🤩まとめ🤩
本作はモンティ・パイソンとしてのまとまりはあまりないです。むしろ個人の魅力が光っている。ソロの集まり。ボクはそれでいいと思うんですよね。