ねぇ素晴らしい

救命艇のねぇ素晴らしいのレビュー・感想・評価

救命艇(1944年製作の映画)
4.0
ハワードホークス『コンドル』につづき、オーバーラッピングダイアローグが披露される古典。ただし英語とドイツ語のオーバーラップなので実質的に観客の聞き取るセリフはひとつになり、アルトマンのような多重性には及ばない。が、限定された舞台を彩る手法としてかなり有効だ。脳裏に焼きついて離れないショットもいくつか。
思いやりと分断が混在する交流を経て、手に余る戦争そのものを保留するかのような最後が素直で素晴らしい。