ぷかしりまる

死霊伝説のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

死霊伝説(1979年製作の映画)
-
私が小学生の頃、夏休みスペシャルでグーニーズがテレビ放映されていたが、そういう目的で作られたテレビ向け作品だ。
テレビ放送だと視聴者は鑑賞を選択する訳ではないので(目に入ってしまうこともある)、子供が見ても残酷すぎない演出が試みられていると思う。例えば吸血鬼が血を吸うシーンは、はむはむカプッ☆みたいなテンションだ。血もほとんど出ないけれど、不気味さが恐怖を駆り立てる。というのも、幽霊屋敷やその住人が営むアンティークショップが良く作り込まれていて、そこが戦場に変わるとき「家の梁にまで悪が染み込んでいる」というセリフが効いてくるのだ。骨董品のひとつひとつに悪が宿っているんじゃないかと不気味に思えてくる。幽霊屋敷の今にも動き出しそうな剥製や床に散らばった白い羽が雰囲気あって好きだった。

吸血鬼を退治するときに十字架を振りかざすシーンがあるのだが、アイスの棒で作ったみたいな即席十字架で対峙していて笑った。効くんかい!

田舎(閉鎖空間)における不倫の噂の伝達などイヤ〜な感じを扱った話なのだが、それほど湿度はない感じがする。例えばサレ夫が妻の浮気相手に銃を向けるシーンは死に対する生々しい印象の代わりに、死への恐怖が描かれているというか…
元カレが「昨日アイツ(今カレ)と湖いってただろ。お前お得意の陳腐なデートスポットだよな」って茶化すセリフが怨念こもりすぎでビックリした!