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ビビアンの旅立ち-離婚そして新しい出逢い-の堊のレビュー・感想・評価

3.0
圧倒的な山、山、馬!を捉えたロバート・エルスウィットの撮影にクライテリオンからDVD出てるのも納得。狭苦しい都会の同調圧力からどこかへ(or死へ)というフェミニズム映画クリシェにまったく陥っていないどころか、最初から神話化されることを意識されているかのような堂々たる演出の数々にビビる。二人は離れ離れになったりしないし、どこかへ消えたりしない。女性による女性のための映画として、最初からレズビアンコミュニティ向けに資金が集められたという経緯においても歴史的な作品なのだけれど、あまりにも真っ暗な廊下の隅で佇む主人公が夕暮れに溶けていくショットが凄まじい。原題『Desert hearts』での再公開を望む(てかいつかされそう)。
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