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ルートヴィヒ 完全復元版の1000のレビュー・感想・評価

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)
3.0
みじめな理想主義者の栄華と没落。なんてディカプリオ向きな役柄なんだろう、と思ってたら、つねに眉間にシワ寄せてる感じがだんだんとディカプリオに見えてきた。
従姉妹のエリーザベト、あれだけワンチャンちらつかせておいて、「うちの妹と婚約すれば?」と突き放してくるのがファム・ファタールすぎて、そりゃルートヴィヒ氏も気ぃ狂うわ。あの目つきと鮮やかなやり口は、一見の価値あり。

城建てまくったり音楽家に出資しまくったりと、放蕩の限りを尽くす狂王・ルートヴィヒ二世。実際的なものよりも精神的なものに全ベットする無邪気さは、後世だからこそ批判できるのであって、同時代の国民には人気だった、という情報にハッとさせられた。
しかしこうも格調高い画面ばかりで、4時間も付き合いきれないな、というのが素直な感想だ。どうでもいいシーンが多すぎる。短いバージョンがあるならぜんぜんそれでいい。監督の意図した尺がつねに芸術的にベターとは限らないのだ。

ワーグナーがでかすぎる犬(でかすぎる、馬か?)とじゃれているのがかなりよかった。「生活の不安が……」とか言ってヒモのくせに不倫してるし、絵に描いたようなダメ人間だなこいつ。
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