芸術を愛する故に建築や音楽に破滅的なまでの浪費を繰り返し、〝狂王〟との異名を持つ第4代バイエルン国王,ルートヴィヒ2世の半生を描いた作品。
実際にルートヴィヒが建てたお城で撮影するなど、その圧倒的なまでにゴージャスでエレガントな映像は、ルキノ・ヴィスコンティの真骨頂で、こういうことをさせたら彼よりも右に出るものはいないでしょう。
芸術を愛し、争いや権力を嫌ったルートヴィヒの性格は、皇族として産まれなければ、誰にも迷惑をかけることのないただのオタクとしてそれなりに幸せに生涯を全うできたのではないかと思ったりもします。
自分自身がルードヴィヒの立場でも、建築やインテリア、絵画や音楽など、国が傾くくらいお金を遣ってしまうかも知れません。
マリー・アントワネットよりは全然共感できました。