ホルンシュタイン伯爵、警察試補、出版社主、侍従らの証言を挟みストーリーが展開。
”狂王”とも呼ばれたバイエルン国王ルートヴィヒの戴冠式からの半生を描いている。
ワーグナーのパトロン、ノイシュヴァンシュタイン城等の建設、俳優カインツを囲う等、国費を湯水の様に使うが芸術に勤しんだとも言える。
従姉妹のエリーザベトへの思慕、エリーザベトの勧めで彼女の妹ゾフィーと婚約と破棄、普仏戦争で前線に就き精神を病んだ弟オットー、男性を侍らせての酒会からルートヴィヒのスレスレの内面を窺えた。
何と言っても、その豪華なセット、美術、衣装には感嘆する。洞窟の中の湖の白鳥も印象的。
ただ、いかんせん長い。インターバルを取って鑑賞するも疲労感が残った。編集も大変だったことだろう。音声と映像に僅かなズレがあったのが残念。
栄華と没落をデカダンスの魅力たっぷりで、ヴィスコンティ色を出した作品だった。