バイエルン国王ルートヴィヒ2世の即位から謎の死までを重厚なタッチで描く歴史大作。「神々の黄昏」っていう副題があまりにも雰囲気重視で適当すぎるよな。歴史的イベントには事欠かない時代背景や濃いキャラの君主だったということで、長時間のストーリーが常に面白い展開になっている。冒頭は人も物も画面にびっしりと詰まらせ、わざと奥行きを出さないべったりとした画にして、王国が凋落していくにつれて高さと広がりのあるガランとした空間を引きで作っていく。この王様は心の底では窮屈な暮らしが嫌いだったんだろうな。狂王とされるルートヴィヒ2世だが、もし今の王族だったら、政治にはタッチしないで自分のお金で美意識を現実にするようなイケメン芸術家になって人気者になったんだろうに。
2016.3.12 イマジカBS(録画)
