ヴァーグナーを愛するあまり国を傾けたメルヒェン・キングの半生を描いた一作。むしろ、ルートヴィヒを焦点に当て過ぎて、近視眼的な内容になっている気がする……と感じるのは、ルキノ・ヴィスコンティとそりが合わない証拠かもしれない。
ともあれ、感受性が強過ぎて現実との折り合いがつけられない哀愁が豪華絢爛な衣装と背景のなかで息苦しく感じさせたヘルムート・バーガーの演技は素晴らしい。
……とか云いつつ、4時間という超大作に疲労感が否めなくなってきたあたりから、口臭キツそうとしか考えられなくなった自分が残念だったり(苦笑)。