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ルートヴィヒ 完全復元版のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)
3.5
「地獄に堕ちた勇者ども」「ベニスに死す」に続き、ルキノ・ヴィスコンティ監督が手掛けた「ドイツ三部作」の最終作。
"狂王"と呼ばれたバイエルン国王ルートヴィヒ2世の即位から死までを描がいた歴史大作。
原題:Ludwig (1972)
日本公開時鑑賞したのは「ルードウィヒ 神々の黄昏」(184分)。
今回は「ルートヴィヒ 完全復元版」(237分)を鑑賞。

1864年、18歳でルードウィヒ(ヘルムート・バーガー、イタリア語の声はジャンカルロ・ジャンニーニによる吹き替え)は、バイエルン国王に就任。
芸術と文化の復興による国づくりを目指し、心酔する作曲家リヒャルト・ワグナー(トレヴァー・ハワード)を招聘、パトロンとなって、歌劇“トリスタンとイゾルデ”の上演のため、莫大な国費を投入し、批判を浴びる。
従姉のオーストリア皇后エリザベト(ロミー・シュナイダー)を慕っていたが、彼女は、妹ゾフィー(ソ-ニャア・ぺトロ-ヴァ)を結婚相手として薦める。
愛を拒まれたルートヴィヒは、次第に自分の世界に閉じこもり、豪華な城の建造に異常な情熱を注ぐ。国務に一層無関心になり、プロイセンとの戦争からも逃げる。
やがて、自らを幽閉、青年への興味も強まり、奇行も繰り返すようになり、大臣たちはパラノイアを理由に退位を迫る…。

~他の登場人物~
・リストの娘でワグナーのお抱え指揮者の妻、愛人のコジマ・フォン・ビューロー(シルヴァーナ・マンガーノ):のち妻になる。
・弟のオットー王子(ジョン・モルダー・ブラウン):後のオットー1世。
・忠実な臣下デュルクハイム大佐(ヘルムート・グリーム)
・ホフマン神父 ( ゲルト・フレーベ)
・ホルシュタイン伯爵 (ウンベルト・オルシーニ)
・精神科医グッデン(ハインツ・モーグ)

「愛は義務なの。現実に立ち向かいなさい。」
「王に付いていける人は、快楽を自由と解釈する人だけです。」

華麗な衣装と美術、ワグナーの音楽、独善的な自由、陰気で孤独な狂気…、
ヴィスコンティの"ホモセクシュアル"と"貴族趣味"、そして"滅びの美学"
ドイツ三部作の中では、この作品を推す。
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