TAK44マグナム

キラー・クロコダイルのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

キラー・クロコダイル(1988年製作の映画)
2.5
人間をガブリンチョ!


2019年はアレクサンドル・アジャ監督がサム・ライミとタッグを組んだ「クロール凶暴領域」という良作ワニパニック🐊が日本でも公開された年でしたが、海に行けばサメに襲われるように、映画で川に行くとワニに襲われるのはもはや定番。
捨てられたワニが下水道で巨大化する「アリゲーター」や、サム・ワーシントンのお尻が見どころの「マンイーター」などワニ映画には良作・佳作も数多いけれど、本作のように8回も寝落ちしながら鉄の意志で観ないと完走できないような駄作もあったりするのでした。
何回、目が覚めたらDVDのトップメニューがテレビに映っていたことか(汗)


ストーリーは単純。
たぶんハサミで切ったピザでも食べていたら思いついたんでしょう。
ある沼に放射性物質が不法投棄されているという噂の真偽を確かめようとやってきたエコロジストな若者たち。
彼らは不法投棄の証拠を掴みますが、メンバーの一人がワニに襲われてしまいます。
人喰いワニの存在を確信したワニハンターに、「希少種だから殺すな」と詰め寄る意識高い系のエコロジストの主人公。
いや、あんたの友達を喰ったワニなんだけど(汗)
そんな若造の戯言に左右されるハンターではなく、「人喰いワニは絶対に狩る」と譲らない。
やがてワニの被害は広がり、またもやメンバーの一人が食べられるに至って、ついに主人公も「絶対に殺してやる!」と180度方向転換!ハンターと共にワニを倒そうと奮闘するのでした。


本作はスタッフ名を英語名にしたりして偽装していますが、製作の中心はイタリアというマカロニ風味が濃い米伊の合作映画。
漫画にでも出てきそうな禍々しい風体が特徴的なハリボテの人喰いワニは、「サンゲリア」での腐乱ゾンビなどで有名な特殊メイクアップアーティストのジャンネット・デ・ロッシによるもの。
このワニが主役ということなのか、開始数秒で登場、何故かダース・ベイダーぽい呼吸音をたてながら餌となる人間を見張るカットが何度も出てきます。
グワーッ!とボートを襲ったり、人間を咥えてガブガブしたり、子供を食べようと橋桁を破壊する勇姿はステキですが、基本はハリボテなので思ったより活劇には向かず。
ハンターが背中に乗ってきてもデスロールのひとつもできない残念仕様なのでした。
しかも、「ワニは侮辱されると怒り狂って出てくるから」と、「財布にしてやるぞ!」とワニハンターにおちょくられたら本当に出てってしまうほど純粋なおバカちゃんなのも哀しい。

脚本は「マッドライダー」や「デモンズ2」のダルターノ・サケッティによるものですが、よくありすぎるストーリーに加え、無駄なシーンも多め。
また、ひとつひとつのカットも間延びしているので退屈に感じてしまいます。
ワニが橋桁を襲撃する一連の場面と悪いヤツが腕を食いちぎられたりするところ以外は恐ろしいほどつまらなかったです。
最後の対決も「ふーん」と鼻をほじっているうちにワニが虐待されて終わってましたよ。
何故か燃えて爆発するし。
あれガソリンタンクも付いてたのかな?
それなりに人は襲われるんですが、エコロジストのメンバーの半分はワニと殆ど絡まないので意味がない。
女子なんて全く必要ないキャラでしたよ。

ハンターのオッサンや人喰いワニよりも何よりも、「棚に肉があるから食え」と言われてエコロジストのメガネ兄ちゃんが手に取る謎の塊が超気になりましたよ。
あれ肉なのか🍖
筋張ってて固そうだし、味なんてこれっぽっちもしなさそうでしたが・・・(汗)


人喰いワニをまるで怪獣のように撮っているのは「アリゲーター」みたいで好みでしたけれど、個人的にはワニがグワッときたところでタイトルインする冒頭が既にピークで、以降は盛り上がらず惰性で観ました(汗)
何にしても、もう少しイタリアンらしい外連味が欲しかったですね。


ゲオ宅配レンタルにて