群青

沈黙の戦場の群青のレビュー・感想・評価

沈黙の戦場(2007年製作の映画)
1.1
幽霊っているとしたら世界がパンクするよな。今までたくさんの人が死んだんだから、事故物件は住みたくないと思っても人類の歴史から見ると同じ場所で死んだ人は一人はいると思うから。土地単位で見ても戦があったろうし。


ということで因縁の土地で交わる二つの時間軸のお話。全然ということで、じゃないけど気にしないで笑


一つは1943年でもう一つは1993年。
ボスニアヘルツェゴビナにある墓地平野に意図せず進んでいく兵士たちが主人公だ。


一方はWW2でもう一方は紛争。全くBGMをのせない粛々とした銃撃戦が逆にリアリティを感じさせた。かつて自分達がいた場所でも戦いは行われていたのだ。爆発が起こり土埃が舞い、人が確かに死んだ。
そうやって溜まっていった死という事象が起こすラストは、戦争映画というジャンルを飛び越えてホラーに着地する。

地上に残ったやりきれない魂は常に僕たちを見つめている。それは同じく死を招いているかもしれないし、はたまた生きてということなのか。死人に口なしなのでそれは分からない。


しかし交差させるのならもっと上手くやって欲しかった。88分とコンパクトになっているのももったいなくて、テンポよくいったら面白いと言えただろう。いかんせん、最後のホラー展開しか印象に残らかった。

少し背筋が凍る作品。
群青

群青