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アッカトーネのkyokoのレビュー・感想・評価

アッカトーネ(1961年製作の映画)
3.8
華麗なるヒモ生活のスローガンは、
働くやつは罰当たり!

クズはクズらしくクズに徹していればよいものを、純真無垢なる処女(おとめ)に恋してうっかり真人間になろうとか血迷ったのが運の尽き。クズがそうそう生まれ変われるわけはなく、自業自得というにはずいぶんとあっけないラストだったけど、真性クズの末路はこうじゃないとね。

戦後経済復興期の外縁にいるゴロツキたちの自堕落さ、生と死のごちゃ混ぜ感は、イタリアの明るい太陽に照らされて楽しそうに見えなくもないからタチが悪いというか、羨ましいというか。

遺作の『ソドムの市』を途中棄権以来のパゾリーニは、はからずも監督デビュー作。こちらは無事完走できて良かった。

それにしてもジャケ写がこのカットとはね。
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