ねこ無双

殺戮謝肉祭/屍肉の晩餐のねこ無双のレビュー・感想・評価

殺戮謝肉祭/屍肉の晩餐(1978年製作の映画)
4.5
ひっそり片隅でやるジャン・ローラン祭り③

恋人のいるブドウ園を目指し、列車で女二人旅。楽しい旅行のはずが、車内で顔が腐り始めた男から襲われたのを皮切りに、惨劇が始まる。
冒されると体が腐り始め、凶暴性を見せるようになるのだが、この腐り具合がゲロのようでなかなか気持ち悪い。

マスクをした集団が何かを地面に散布している冒頭から、もう穏やかではない雰囲気。昔のゾンビ映画や疫病映画を予感させます。
私が思うローラン監督の作品は観てて目が潤うイメージなんですが、今回はストーリーも優って面白かった。

そして、監督作品で主人公のマインドがノーマルなの初めて観たような気がする。
設定は全然ノーマルじゃありませんが…

途中、作品常連ブリジット・ラーエが登場した途端、ムードが一変。燃え盛る炎と二匹のドーベルマン。そして、恍惚とした表情を浮かべる白いドレスのラーエ。
ラーエが自ら病に冒されてない事を証明するために、素っ裸になっちゃうんだけど、見た人から『何もそこまでしなくても…』って言われてたのが可笑しかった。

毎回ロケーションが美しくて、
今回は崩れた石畳の建物が建つ山間部が素晴らしい。
いつもの優美なドレスや美術は無くて、ちょっと雰囲気はアメリカやイタリアのホラー映画っぽいんだけど、やっぱり男女の愛を感じさせてくれるところは変わらない。