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ディレクターズ・カット JFK/特別編集版のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.5
オリヴァー・ストーン(監督、脚本、製作)が、今だ真相が明らかにされていないJFK(ジョン・F・ケネディ)大統領暗殺事件の謎に挑んだ力作。
暗殺をめぐる唯一の訴訟である「クレイ・ショー裁判」を担当したジム・ギャリソン検事を中心に据えて描いている。
今回はディレクターズ・カット版(3時間26分)を鑑賞。
原題:JFK (1991)

1963年11月22日、テキサス州ダラスでJFK(ケネディ米国大統領)が、銃撃され亡くなる。
元米海兵隊員リー・ハーヴェイ・オズワルド(ゲイリー・オールドマン)が容疑者として逮捕されるが、直後に、ナイトクラブのオーナー、ジャック・ルビー(ブライアン・ドイル=マーレイ)に射殺される。
オズワルドの単独犯とされたが、真相は明らかにならないまま闇に葬られる。
ニューオリンズ州の地方検事ジム・ギャリソン(ケビン・コスナー)は、「ウォーレン委員会」が出した結論に疑問を抱き、独自に調査を開始。実業家で同性愛者のクレー・ショー(トミー・リー・ジョーンズ)を暗殺の共謀罪で告訴する…。

(主人公の家族)
・妻、リズ(シシー・スペイセク)
・子ども(ショーン・ストーン、エイミー・ロング、スコット・クルーガー、アリソン・プラット・ディヴィス)

(検事事務所のスタッフ)
・スージー・コックス(ローリー・メトカーフ)
・ビル・ブロザード(マイケル・ルーカー):FBIの内通者となる。
・ルー・アイヴォン(ジェイ・O・サンダース):後に離れる。
・ヌーマ・ベルテル(ウェイン・ナイト)
・アル・オーサー(ゲイリー・グラッブス)

(その他)
・男娼、ウィリー・オキーフ(ケヴィン・ベーコン)
・民間パイロット、デイヴィッド・フェリー(ジョー・ペシ):不審な死を遂げる。
・私立探偵、ジャック・マーティン(ジャック・レモン)
・ラッセル・ロング上院議員(ウォルター・マッソー)
・弁護士、ディーン・アンドルーズ(ジョン・キャンディ)
・X大佐(ドナルド・サザーランド)
・Y将軍(デイル・ダイ)
・偽オズワルド(フランク・ホエーリー)
・アール・ウォーレン最高裁長官(ジム・ギャリソン←カメオ出演)

ニュース映像などの実写フィルムを交え、緊張感を盛り上げている。オリジナル版でも3時間8分だが、これはちょっと長い。

オリバー・ストーンは、
・民主主義
・平和主義(ベトナム戦争反対)
・軍需産業で利権を得ることへの警告
・正義
・事実の隠蔽批判→真実の追及
の立場から映画を作っている。
そのため、細かいところでは事実と違うこともあるようだ。
ギャリソン検事は、法廷で、ケネディ暗殺事件は政府最高レベルでの陰謀(クーデター)で、CIA、マフィア、軍産複合体、シークレットサービス、FBI、ジョンソンそしてジョンソン副大統領も関与していた可能性を示唆する。
これは一つの解釈に過ぎない。
しかし、ケネディ暗殺後、ベトナム戦争が本格化し、アメリカの軍需産業が潤い、そのことで得をした人がたくさんいたことは事実である。
(もちろん、得する人たちが意図的に暗殺を企てたかどうか、何らかの関与があったかどうかは別問題である)
なお、バイデン政権になり、ホワイト・ハウスはケネディ大統領暗殺に関する機密文書1万3000件以上を新たに公開、暗殺に関する文書の99%が閲覧できるようになった。これまでのところ陰謀を示す証拠は見つかってないが、未だ非公開の残る資料はどのようなものだろう。
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