爆裂BOX

ゴーストシップの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゴーストシップ(2002年製作の映画)
3.3
ダーク・キャッスル・エンタテイメント製作の三作目のホラー映画で、一応、企画当初は「ゴースト/血のシャワー」のリメイクとして始まったようですが、結果的に別作品になりましたね。
1962年に航海中に消息を絶った豪華客船「アントニア・グラーザ号」が40年後、ベーリング海を漂っている所を発見され、サルベージ依頼を受けたアークティック・ウォリアー号のクルーと発見者の空軍パイロットフェリマンが現地に向かい、船内に潜入するも怪奇現象に見舞われるというストーリーになっています。
まずこの映画見た人なら間違いなく強烈に印象に残る、冒頭の舞踏会の客達がワイヤーでスパスパ切られていくシーンは素晴らしい名シーンですね。固まった後にゆっくり倒れていく所や、服が落ちた後に血が流れて胴体がずれて落ちたり、床で上半身だけで這いずろうとしたり下半身を必死で引き寄せようとしている所等芸が細かいですね。
そこからサルベージ依頼を受けたサルベージ会社が漂流中のアントニア・グラーザ号に調査の為に潜入して金塊を発見して喜ぶのも束の間、怪奇現象に見舞われていきますが、中盤までは少女の亡霊を見たり、洗濯室で腐乱死体を発見したり不気味な声が聞こえるなどインパクトある冒頭と比べると地味な物で恐怖感もなく、地味で中弛みを感じる所ありますね。幽霊船となって荒れ果てた船内の様子も不気味さを感じさせるものではなかったな。最初の犠牲者が出るのも中盤過ぎくらいですし。そのシーンは爆発もあってちょっと派手ではあります。
ダンスフロアとパーティーが再現されるシーンや酒を飲んでいるマーフィーが船長の霊と会話するシーン等は「シャイニング」っぽいですね。
「ER」や「グッドワイフ」等TVで活躍するジュリアナ・マルグリースや、責任感あってクルー思いの船長マーフィー役ガブリエル・バーン、「クライモリ」のデズモント・ハリントンにカール・アーバンなど結構キャストは豪華ですね。主人公を助ける少女の亡霊役はエミリー・ブラウニングだったんですね。神秘的な雰囲気放つルックスで、悲鳴上げる表情も良かったです。
ダークな歌と共に少女の亡霊によって過去の惨劇見せられるシーンは、テンポよく殺戮繰り広げられて見入りますね。フックが顔に突き立って吊り下げられるシーンは中々良かったですが、結局冒頭越えるインパクトあるグロシーンなかったのは残念だな。食ってる缶詰の中身が蛆虫に変わるシーンは結構キモかったですが。
最後に明らかになる黒幕は「結局悪魔かよ…」とがっかりする人いそうですね。最後の対決もアッサリ終わったけど、悪魔としては小者だったのかな?(笑)脱出するときに大勢の乗客の霊と一緒に泳ぐ所は何か笑った(笑)空へと昇っていく霊たちの光景はファンタジックで良かったです。流石に殺戮に加わった奴は船から解放されても即地獄行きだよな?
終わったと見せて新たなゴーストシップの誕生予感させるラストは好きですね。
怖さはないですが、エンタメホラーとしてはそれなりに楽しめる作品だと思います。