櫻イミト

刑事キャレラ/血の絆の櫻イミトのレビュー・感想・評価

刑事キャレラ/血の絆(1977年製作の映画)
4.0
シャブロル監督×サザーランド主演の思春期ミステリー。

雨の夜、少女たちを強襲した猟奇的殺人事件。闇に包まれた事件の真相を刑事キャレラ(サザーランド)が追う。。。

「血の絆」というタイトルから横溝正史を連想しながら観たら、刑事キャレラの立ち位置も金田一耕助のようだった。本編の大半が被害者少女周辺の回想シーンで、ロリコンや禁じられた性が事件に絡む。序盤から少女たちの虚言を重ねて描き、少女特有の触れ難い秘密性が上手く表現されている。その辺りは楳図かずおの世界に近いものがあり好みの一本だった。

日本語字幕があるのはVHSのみだが、海外版DVDと比べたら5分近くカットされていた。また、オープニングと終盤、エンディングの編集が違っている。キャレラの出番や少女たちの心情描写がカットされているので、全編収録した日本語版DVD化を切に望みたい。

※「エクソシスト」(1973)「キャリー」(1976)
櫻イミト

櫻イミト