ピュンピュン丸

続十代の性典のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

続十代の性典(1953年製作の映画)
4.0
落し物の腕時計を届けた不良青年に純潔を奪われたことで死を選ぼうとする女子高生を演じているのが、南田洋子(長門裕之の奥さん)であることに、映画を半分くらい鑑賞して、やっと気付いた。こんな若い頃の南田洋子を見れるというだけでも◎。

その親友夏子を演じるのが若尾文子さま。その初々しいさ、明朗快活ぶりはさすがの一言に尽きる。清純な女子高生役なのに、男性に甘えるときの声の出し方が、後年の数々の役どころを彷彿とさせる。(^^)

前作もそうだが、女を抱こうとするときの男の顔が邪悪すぎて、まるで狼男に変身するかのよう。笑笑 

舞台は白鴎高校となっていて、今の東京都台東区に実在する白鴎高校を指しているのかは不明。その名門白鴎高校の女子高生たちが『ジャンヌ・ダルク』の劇をやるんだけど、そのジャンヌ・ダルク役に選ばれた秋子(南田洋子)がそれに相応しくないという噂が持ち上がる。純潔であるかないかが、劇のヒロインにふさわしいかかどうかを左右する問題になるという、この時代の価値観はなかなか凄い。前作でも言ったが、処女であることが恥になる社会よりは、こっちのほうが自分は断然いい。

なんにせよ、若尾文子さまは、こんな若いときから、すごい女優だ。それを実感した一本だった。