ワシ

帝都物語のワシのレビュー・感想・評価

帝都物語(1988年製作の映画)
2.5
かなり昔に観た時、何だコリャ?って思った。
今回久しぶりにサブスク鑑賞したが、やっぱり何だコリャ?って感じ。
悪の側は加藤が1人で強烈な存在感なのに対し、加藤と相対する側の人々は、ただでさえ数が多いのに色んな血筋や家柄が入り乱れ、実在の人物まで絡んでくる。
だから人物相関が複雑で解りにくいんだよね。
また、物語は時代の変遷ごとに区切られているんだが、大した盛り上がりも無いまま話がぶつ切りの印象を受けた。
とにかくもう少し人物の説明や、話の整理が欲しかったな。

そんな点はあるにせよ、史実に伝奇や呪術要素を絡めつつ、帝都の命運をかけた戦いを描いた物語は魅力的。
怪しげな儀式や術、そして魑魅魍魎を使った戦いは、アニメ『呪術廻戦』に通じてるよね。
他にも、明治・大正の和モダンな雰囲気は素敵だし、オープンセットも見事。
そして何と言っても特徴的な画角や構図を用いた、実相寺昭雄監督ならではの映像美が素晴らしい!
なんかね、いい材料が揃ってたのに、残念な感じで形になった作品だと思った。
ワシ

ワシ