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トゥモロー 僕たちの国が侵略されたらの8bitのレビュー・感想・評価

3.5
オーストラリアのティーン男女グループがキャンプから帰ってきたら、某アジア国(たぶん、あの国。)に侵略されていてビックリ!というお話。

こんなことは絶対にあり得ないと断言できる荒唐無稽さは、さすがYA小説(というかラノベ?)が原作だけあってその開き直りっぷりが清々しいです。

政治的意味合いや見解なども多少あるにはあるんだろうけど、それはそれとして。
ツッコミどころも含めてエンターテインメントとして消化して楽しんじゃうのが筋ってもんでしょう。

主軸はあくまで青春ドラマ。
恋愛や友情などティーンならではの微妙な人間関係を絡めつつ、それぞれが抱えている欠点やコンプレックスを戦場という過酷な状況をサバイブすることで乗り越えてゆく成長の物語になっています。

主人公グループのキャラは明確に描き分けられているのも良い。
「ダイ・ハード」のマクレーン刑事ばりに機転を利かせ活躍しつつも、人を殺してしまったことの罪悪感に苛まれるエリーはヒロインとして魅力的だし、
恋人を置いて真っ先に逃げるようなヘタレ男が終盤には男気溢れるナイスガイになっていたり、
この期におよんで「人殺しはダメよ!汝殺すべからずよ」なんて言っていたカトリック少女がクライマックスで見せる行動には号泣。
潜伏中の行動や逃亡が隙だらけだったり、
ガールズトークに夢中になりすぎて計画が破綻しかけるところなんかはティーンらしくて面白いです。

なにしろ本国では7巻まで出ている長編シリーズだけに、すべて映画化されるのかは不明…。
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