イチロヲ

恍惚の悪魔 アカサヴァのイチロヲのレビュー・感想・評価

恍惚の悪魔 アカサヴァ(1971年製作の映画)
3.0
貴金属に精錬することができる不思議な石の発見を受けて、美しい女性諜報部員(ソリダッド・ミランダ)が、行方知れずの鉱物学者を捜索する。ストリッパーに変装する女性スパイの諜報活動を描いている、エロティック・サスペンス。

「おれ、ミランダのこういう絵を撮りたいんだよねぇ」という、監督の無邪気な願望を結実させている作品。他作品同様、サイケデリック期のコスチューム・プレイを楽しむことができる。

肝心のサスペンス劇場は、本気なのか天然なのか分からない、多分に困惑させられる作劇になっている。前後のカットが不自然であり、ユルユルのミスリード狙いが、却って物語を不可解なものにしている。だが、その不安定なノリに中毒性があるともいえる。

ミランダのコスプレでは、粗い網目のニット・セーターを全裸の上に着用するスタイルが、眼福そのもの。ミランダの艶姿がすべての作品なので、彼女不在のドラマに突入すると、強い飢餓感に見舞われてしまう。
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