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フェリックスとローラのkojikojiのレビュー・感想・評価

フェリックスとローラ(2000年製作の映画)
3.5
No.1569
2024.01.09視聴 

オープニングで歌手が撃たれる。
そして謎の女。彼女は悲しい女という。どこから来て、何者かわからない。
サスペンス仕立てのようだが、そこまではいかない。

男ヘェリックス(フィリップ・トレトン)の移動遊園地に紛れ込んできた女ローラ(シャルロット・ゲンズブール)は何故か、存在感がない幻のような女だ。
男は女を雇うことにする。そしてすぐに女の虜になってしまう。女も男を愛しているように振る舞う。
女は愛していると言っては、突然消えて、消えては、またまぼろしのように男の元に現れる。
自分には娘がいる。その父親が自分を追っているのだと言ったりする。本当なのかわからない。しかし信じて欲しいとも言う。
謎のような話が繰り返される。確かに女を追っているような男も現れる。
男は振り回されているようにしか見えない。
シャルロット・ゲンズブールの目の縁を黒く塗った化粧が哀しみを深くしているように見える。
「悲しい女は魅力的だ。」
そんなセリフが映画の中でもあったような記憶があるが、私には残念ながら魅力的には思えなかった。

ところが映画の後、彼女のインタビューの特別動画を見て驚いた。ほぼノーメークの彼女は全くの別人。普通のお嬢さん。
改めて、女優の凄さを感じた。

2001年のルコント作品。(ルコントー21)
この映画は傑作「髪結の亭主」「仕立て屋の恋」の延長線上にあると思うが、私がシャルロットに魅力を感じなかった分、情感が足りないように感じた。
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