チッコーネ

猟奇殺人の夜のチッコーネのレビュー・感想・評価

猟奇殺人の夜(1980年製作の映画)
2.7
終盤に語られる一行程度の台詞ですべてが判明する。
そこまで引っ張り過ぎ…、しかし脚本の割に豊潤なイメージの氾濫は、この監督の個性であり長所。
特に「暗闇を走るネグリジェ姿の女」というノワール的冒頭と、思わず「リンチに影響を与えたのでは」と勘繰りたくなる終盤の「呆然と線路を歩く女の姿」が、幽玄だった。
また無機質な高層ビル街という背景と現代劇は、却ってイマジネーションを増幅させる。

中性的で、今観てもモダンなブリジット・ラーエの佇まいが、終始物を言っている。
前半には「ハードコアポルノ」という彼女の出自へ向けられる視線を意識した、長尺の濡れ場も。