Cisaraghi

バーバーショップのCisaraghiのレビュー・感想・評価

バーバーショップ(2002年製作の映画)
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映画と言えば洋画、特にハリウッド映画のことだった往年の時代からすれば、昨今はそれほどでもないとはいえ、アメリカ映画はずっと日本で大人気。でも、いい映画でアメリカではかなりヒットしたにも関わらず、日本では客が入らないだろうという判断の下にスルーされている映画はきっとたくさんあるはず。これなどもおそらくそのひとつ。2002年のブラックフィルムじゃ無理もないけど、とても楽しくていい映画で、今までこの映画の存在すら知らなかったことが惜しい。

こんな寒そうな都会にある黒人コミュニティなんてシカゴに決まってる、と思ったら本当にシカゴだった。それにしても、何て寒そうなシカゴの冬。でも、その街角の一角にあるバーバーショップは暖かいよ、というお話。

ブラックフィルムとか韓国映画とか観ると、誰が誰か区別がつかなくてしばしば混乱しがちだけれど(主に男性。髪の色と質が同じで、髪型が似ているせいだろう)、この映画は見た目からして既にそれぞれの個性がはっきりしていて、登場人物が多いわりに話がわかりやすかった。一人一人のキャラクターがしっかり描かれていたということでは。

BLMで2002年より2020年の今の方が差別問題が尖鋭化している感のあるアメリカだが、この頃は今ほど人々が極端に分断されていなくて、時代が進めば将来物事はよい方向ー例えば、包摂と融和ーに進むと誰もがある程度楽観的に考えられた、希望を信じることが出来た時代だったように感じられた。あくまでもこの映画から得た印象に過ぎないけれど。

2005年と2016年の続編も観てみたい。
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