つるみん

GOGO70sのつるみんのレビュー・感想・評価

GOGO70s(2008年製作の映画)
3.9
【ソウルを歌え!】

1972年、米軍基地の近くのクラブで結成された6人組バンド「デビルズ」。当時の流行りはサイケデリック・サウンドであったが、彼らが作るソウル・ミュージックは型破りな演出加え、徐々に人気が出てくる。しかし、朴正煕政権下の退廃的風潮の取り締まりにより演奏する場所が限られ…。

楽しく明るく、そして魂を叫ぶ作品。
『ボヘミアン・ラプソディ』のような『スウィング・キッズ』のような…胸打たれる実話映画だった。

とにかく次々と流れる音楽が最高。ロックンロールやソウル・ミュージックへの愛がこちらまでダイレクトに伝わってくる彼らの姿が眩しい。音楽映画にしては、かなりステージシーンが多く、見飽きないのも特徴。逆に言えばメンバーそれぞれを深掘りするような時間は割いておらず、「デビルズ」としての生き様が綴られている感じ。

韓国の70年代。娯楽を制限された社会の中で反逆し、自分らの魂をぶち撒ける彼らの姿は阿保らしさもあるが、それを超える感動がそこにはあった。

00年代後半は音楽映画が徐々に増え始めてきた印象がある韓国映画界。その中でも本作は見易さ抜群だし、韓国映画ぽさもあってかなり好みな一作だった。
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