本作は実質「TVドラマ」というカテゴリなのでレビューするかどうかは迷ったのだが、一応観たということと、リストに入っていたので記録。
既に何度か観たことはあり。堤幸彦はとにかく嫌いなのだが、その気持ちが明白になる以前に観ており、そして堤幸彦監督の作品としては、例外的にTVシリーズから好きな作品ではある。
というわけで本作「翔」が一番面白い気がする。とはいえ、TVドラマとして、という注釈つきで。
改めて思うのは、ぶっ飛んだ設定。比較的ハードめなバイオレンス描写。徹底してふざけきった業界ノリなギャグセンスの応酬という作劇で、作品独特の不安感、不穏感はしっかりと出来上がっているのと。
何よりキャスト陣の好演がとにかく魅力的なのだろう。
ただ、そもそものストーリーの軸を明らかにつくりあげる気概がない点や記号としてのセリフ。壮大に繰り広げられている陰謀論のオンパレード感に、聖書からの引用の無意味さなど…小賢しさも同等で、好きだけど、良いとは思えない。